ブラジルにおける新型コロナの現状 その3

pandemic ブラジル社会・文化
昨日(7/22)現在、ブラジルの累計数は、感染者はついに200万人を超えて2,159,654人、死亡者は8万人超えの81,487人となっており、相変わらず高止まりしたままの、もどかしい状況が続いています。
今回は(残念ながら)新型コロナが感染爆発してしまったブラジルの日常生活やブラジル人の受け止め方などを日本の状況と比較して少し書いてみます。
数字だけを見れば地獄のような状況であるにも関わらず、方向としてはブラジルは経済活動再開に舵を切っています。少し前まで日本にいましたが、日本では絶対にありえないことだと思います。この辺りは、ブラジル人と日本人とは大きく感覚が違っていると感じました。
で、どんな雰囲気かというと、政治的にはゴタゴタしていますが、市民生活は比較的落ち着いているように見えます。商店は営業を始め、路上に多くの人たちが行き交っています。皆ちゃんとマスクをした上で、店に入るときは手をアルコール消毒しています。店によっては入店制限があったり、入店時に体温を測定されたりもします。
面白いのは、日本の重苦しい雰囲気とは違って、こちらの人たちはわりとあっけらかんとしていること。もちろん普段通りとは行きませんが、あまり悲壮感のようなものは感じません。街の様子などは下のYoutube(ポルトガル語)でも見ることができます。
テレビではニュース番組の時間枠が倍増していて、コロナ関連を重点的に報道していますが、事実を伝えることに終始しており、たまに注意喚起は入りますが不安を煽るようなことはありません。日本のテレビ番組(特にワイドショー)と比べて精神衛生上とても良いです。日本のワイドショーは、視聴率稼ぎのためなのかコメンテーターや芸能人などの素人が無責任に不安や恐怖を煽りまくっていて愕然としました。そして、そういったものに引っ張られる形で世論が出来上がってしまい、社会全体が萎縮しているようにも見えました。ちなみにブラジルにはワイドショーのような形態のテレビ番組はありません。
ブラジル連邦政府の経済支援策ですが、現金給付は低所得者や個人零細事業主など約8000万人(国民の約40%)を対象に5カ月間に渡り1人当たり月額600レアル(約1万3000円)を支給する救済策のみで、その他は中小零細企業向けの低利融資や税金の免減などです。州政府や自治体独自の支援は、私が知る限り、やっていないようです。日本の支援策と比べると、かなり貧相ですが、これに文句を言う人はあまりいません。給付に関しては、納税番号や口座番号が完全に紐付けされており、一部トラブルも有りましたが比較的スムーズです。
感染爆発がまだ峠を超えていないこの状況下で経済活動を再開するという選択は、安全・安心が何よりも大切な日本はもちろん、ヨーロッパ諸国ですらできないでしょう。そういう意味ではアメリカに近いのかもしれません。感染状況がどうあれ、経済を動かさなければ社会全体が死んでしまうことに気づき、コロナと共に生きていくという覚悟をしたと言っていいでしょう。
それはブラジル人が楽天的だからというのとはちょっと違います。ブラジルは住んでみると分かるりますが、犯罪や汚職、理不尽なことが蔓延していて、毎日が「非常事態宣言」みたいなところがあります。それをいちいち心配していたらキリがない。自分でどうにかできないものは諦める。そんな大変な状況やもろもろを受け入れた上で前向きに生きて行こうという精神的な強さがブラジル人にはあると感じています。
とはいえ、この状況が長引くとだんだん疲弊して行くのは目に見えています。ブラジルが早くこの状況から脱することができるよう、祈るような気持ちで日々過ごしています。

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